きろく

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ミュージカル HARUTO 〜モノクロとカラフルから暗黒へ〜

こんにちは、ふとまた書きたくなったのでつらつらと思ったことを殴り書きしていきます。ミュージカルHARUTOを通して何だか色が見える気がして、根拠を集めてみました。以前ツイートでもちょっとだけ触れましたが、やっぱり記録しておきたかったのでまとめます。



結論から言うと「モノクロ」はハルトの代名詞、「カラフル」はリセの代名詞だと考えています。



【①モノクロとカラフル(仮)の歌】

この歌はリセに出会ってハルトの世界が一変し、とってもキラキラしたかわいい〜〜〜ハルトくんが見れる曲です。みんな大好きですよね、わかる。




モノクロの今が鮮やかに彩られる

扉開かれているから

モノクロの僕が君に出会って色づく

翼を広げて飛び立とう


モノクロの心少しずつ変化していく

この先怖いものはないさ

モノクロの世界 君と変えていきたいから

これから僕を見ていてほしい




モノクロの世界に生きていたハルトはリセに出会ってから変わります。「モノクロ」の「僕」が「君」に出会って「色づく」。つまりこの歌詞から、ハルト=モノクロ、リセ=カラフルという定義になるのかなと思っています。でもハルトはモノクロの世界を君と変えていきたい。モノクロの世界から脱出するにはリセと一緒じゃなきゃだめなんです。また、リセに出会ったことでハルト自身も変化します。




ヴァンパイアもオオカミもこの呪縛も

全て受け入れよう君がいるなら




ハルトはやっと自分を肯定し、今まで目を背けてきた自分の中に流れるふたつの血筋の宿命もすべてを受け入れるようとするまでに成長したのです。恋ってすごい。でもこれもまた、「君がいるなら」。ハルトはリセに出会ったことでカラフルの世界を見ることはできたけど、そこにはリセが一緒にいないと飛び出すことはできないんです。だからつまり、ここではリセに魅せられたカラフルにワクワクしてキラキラしているハルトくんだけど、カラフルな世界に行けてはいないんです。



【②絵について】

ハルトの描いた絵は花瓶に差された一輪のユリの花と母レイラの写真立て。鉛筆描きのようなタッチなのでモノクロです。レイラに似て絵が上手なハルト。学校にも行っていなかったのでよく絵は描いていたんじゃないかなと思います。想像ですがレイラが死んでからはモノクロの絵しか描かなくなっていたんじゃないか... とか思ったりしています。レイラが死んでからハルトの生きる世界はモノクロになってしまったんじゃないか… と。逆にリセの描く絵は草花と青空が広がる絵。絵の具か油絵のようなタッチでカラフルです。ハルトの部屋で絵を描いていたリセにハルトは言います。「おい!僕のパレット、勝手に使っていいと思ってるのか?」また想像ですがハルトはしばらくパレットを使ってなかったんじゃないかと思います。いつもモノクロの絵ばかりを描いていたから。リセがその絵をハルトに見せたとき、ハルトはびっくりしたような表情をして呆然とリセの絵を見つめるんです。パレットを使ってカラフルな絵を描くリセにまた惹かれたんじゃないかなと思います。カラフルな世界を知っているリセのことを羨ましくも思った。また、絵が上手だったレイラのことを思い出したのかもしれない。カラフルで輝いていたレイラとの日々とリセのことを重ね合わせていたのでしょうか。リセの絵はハルトにとって理想とするふたりの未来、カラフルな世界のようだったんじゃないかなと。虹のはじまりという歌に以下のような歌詞があります。




どしゃぶり雨も時がたてば太陽に変わる日がくる

晴れたら 晴れたら 虹のはじまりを見つけよう

ふもとにふたりだけの宝物が眠るから




リセの絵はまさに晴れた絵でした。太陽に変わった絵。でも、「晴れたら」なんです。あくまで仮定。きっとハルトは夢を膨らませていたんじゃないでしょうか。晴れたら... 晴れたら... 



僕も見たいなぁ 色とりどりの景色

リセ 君と



ハルトはリセにヴァンパイアアイランドを出ようと言います。色とりどり景色=カラフルな世界に夢を膨らませるハルト。でもハルトがリセと色とりどりの景色を見ることはありません。どしゃぶり雨がやむことも晴れることもありません。晴れたら... 晴れたら... ってカラフルな世界に夢を膨らませていたハルトを思うと心苦しくて仕方ないです............ 切ない



【③ReBIRTH】

リセが死んでしまった直後ハルトが歌う曲です。個人的にめちゃくちゃ好きです、この曲。というか大我くんの表現力。怒りと憎しみと絶望に満ち溢れたハルトの姿がひしひしと伝わってきてマジで震えます。




どうしてなのか 君の顔見えない

なぜあったはずの 何も感じられない

触れているのに 形も匂いも

これが光のない 暗黒の世界か




ハルトが最後に突き落とされたのは「暗黒」の世界なんです... 「モノクロ」の世界よりももっと闇が深い世界だった... モノクロであればまだ色は見えなくとも形は見えます。でも光のない暗黒の世界は形も匂いも何も感じられないのです。カラフルな世界に心踊らせ、「僕も見たいなぁ、色とりどりの景色」ってキラキラした表情で夢見ていたハルトはもういません。そう思うことももう一生ないでしょう。


しかもこの曲、①モノクロとカラフル(仮)の曲のリプライズなんです... おそらく変調させて雰囲気は真逆の悲しい曲調になっていますが、サビのリズムは一緒なんです... それに気付いたときは本当に震えました。カラフルから暗黒への変化に同じ曲を使っているなんて... 好きすぎる!!!



モノクロの世界に生きていたハルトがリセと出会ってカラフルな世界を夢見て、足を踏み入れることなくたどり着いたのは暗黒の世界... 悲しすぎる色の変化ですね。



【④LAST FOREVER】

ちなみにオープニングとエンディングで歌われているLAST FOREVERでは「暁」という歌詞が頻出しています。勝手に朝焼けのようなオレンジを想像していたのですが、「暁色」というのは深い紺色が白んでいく色らしいです。ラストのシーンでハルトがリセを生き返らせたのは月が沈む直前です。リセを助けたあとすぐに月が沈み、空が暁色になったのではないかなと思っています。




朝露に 未来映す この声届けて

彼方に離れても 記憶の中で歌う

愛した 君は




もう過去形なんです。ハルトにとってリセは「愛した」人。記憶の中で歌う人。どんなに暗黒だと思っていてもどんなに深い闇に包まれていても太陽はのぼります。のぼりはじめた太陽によって深い闇が白くなっている暁色の空の下、ハルトはヴァンパイア族の王になるべくマントをはらい立ち去ります。どしゃぶり雨でも晴れでも虹でもない暁の空。LAST FOREVER... これから先もずっとハルトの心は暁色なのかもしれない。ハルトの記憶の中で歌い続けるたったひとりの愛した人。いつまでも想い続けることでしょう。そしてその想いはもう永遠に叶うことはないんですね...


切なすぎてハルト様に幸あれ、と願うばかりです。再演か続編か円盤求む。